Monday, December 13, 2010

Finding Problems















久々の更新。
本当にいろいろあって、全てをここで書ききることは出来ないけど、
忙しくて充実した日々を過ごしていました。

特に、自分がSDMに来ようと思ったきっかけである=大学院に行こう、と思ったきっかけ
になった、岩瀬大輔さんに、主催した金融シンポジウムにて講演とパネルディスカッション、
そして懇親会まで参加していただいて、とてもうれしかったし、忘れられない思い出になりました。

そもそも、なぜ岩瀬大輔さん→SDMなの?とうのは、
たまたまぶらっと立ち寄った本屋で、MBA留学でもするかな、なんてGMAT関連の書籍
があるコーナーに行ったところ、岩瀬さんの書かれた「ハーバード留学記」が
置かれていたのでした。何気なく手に取って読んでみると、止まらなくなり、そのまま
レジに直行。その日のうちに読み終えて、「あー、猛烈に勉強したい」と決心したのでした。

もともと学部時代は、英語で授業を行っていたので、海外の大学院も考えていたのですが
やはりボトルネックは金銭面でした。それほど真面目に生きてこなかったので、、、
というと、誤解を招きそうですが、とにかく、自分が金銭的に許容出来る範囲で
もっとも機会費用の効率が良さそうなのがSDMでした。

国内であること、働きながら続けられること、などを前提にフィルタリングしていくと、
与えられたオプションの中で、SDMは最も魅力的でした。
一橋のICSなども考え、GMATの勉強もし始めたりしたのですが、
竹内教授などがICSを離れるなどの話を聞いたり、実際に説明会に行ったりして、
教授や在学生と話をした感触では、自分が学部時代にいた比較文化学部の雰囲気に
とても近いのかな、と思いました。また、MBAという学位がコモディティ化されている
というような話もちらほら耳にしたりしていたので、逆説的に「SDMって、出来たばかりで
具体的に何をやるのか、正直良く分からないけど、その分面白そうだな」と
思うようになりました。MBAについては、いろいろな本を読んだり、お話を聞いたりして
授業でどんなことをやるのか大体検討はついていました。もちろん、授業の内容は
年々進化しているでしょうし、人から聞いた話と実際に経験するのでは
雲泥の差があります。ただ、個人的に「あまのじゃく」というか、「アンチ主流」というか
「へそ曲がり」というか、人がやらない事をやりたがったりする面があるので、
そういう自分には、出来たばかりの大学院は非常に魅力的でした。

システムデザインマネジメントというと、直訳すると、
仕組み+設計+管理(本当に乱暴な翻訳)ですが
まさに、自分のクリエイティビティを活かすために、こうした仕組みを「作る」側に
いたいという思いが強かったんでしょう。

入ってからは、もちろん全てがパーフェクトな訳では決して無く、
本当に毎日が困難続きですが、なんとか今日までやってきています。
最近は、年の瀬ということもあり、本当に、本当に、本当に、忙しくて、
仕事や課題=困難に、追われる毎日を送っていました。

だけど、これって、機会費用の損出ですよね。
いつか、スタンフォードから来ていたリサーチャーの方と雑談していたときに、
"Finding the Right Answer"よりも、
"Finding Problems"だよね、みたいな話をしたのが印象に残っています。
"Right Answer"は往々にして変化するけど、"Finding Problems = Constantly Looking"は、
Attitude=姿勢であり、継続して改善(カイゼン)して行く感じがして気に入っていました。
こうした気持ちの持ちよう一つでも、何か変わるものがあるのではないかと思っています。

さて、岩瀬さんがライフネットを立ち上げてからの話をアゴラにアップしています。
そのなかで、最後の章がとても感動的だったので、勝手に転載します。
原文はこちら→http://agora-web.jp/archives/1125791.html

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小さな石を投げ込む

私がライフネット生命の起業を通じて実現したいと考えることは、いくつもある。

シンプルで合理的な保険商品を世に送り出し、生命保険の仕組みや構造について積極的に情報提供することで、一人一人が自分のお金について能動的に考えて行動するようになり、年間40兆円という生命保険料の流れを適正化し、ひいては1400兆の個人金融資産の流れを変えることで、日本経済に活力をもたらすこと。

医療・年金という社会保障の一翼を担う民間保険会社として、人口構造の変化に対応した新しいソリューションを考えて行くこと。

60代と30代がパートナーシップを組み、大企業の後ろを循を得て新たなベンチャー企業を起こし、ベテランの知恵と若手の創造性を組み合わせることで、新しいスタイルの起業の在り方を世に示すこと。

日本発で世界でも競争力を持つ金融機関を作り、国際的にも日本のプレゼンスを高める一助となること。

開業して2年半、準備期間も入れると4年になるが、これらの目的のどこまで実現できただろうか?残念ながら、まだ小さな一歩を踏み出したに過ぎない。しかし、それは同時に、力強く踏み出した一歩でもある。

少しずつではあるが、「ネット生保」という新しい生命保険の加入方法が、市民権を得つつある。それは従来のように売り手に言われるがままに受け入れるのではなく、自らの手によって自身の人生のあり方、必要となる保障の内容について真剣に考えることを余儀なくされる。考えてみれば、それが本来あるべき姿ではないだろうか?

我々は業界の中で見れば小さな存在に過ぎないが、世に無かった新しい選択肢を提供したことで、消費者自身で生命保険を選ぶ幅が広がった。業界他社にも少なからずその影響は及び始めたように感じる。シンプルで低廉な保険料の商品設計。分かり易さを追求した情報提供の姿勢。そして、自社の販売モデルへのインターネットの活用。もちろん、いずれも各社内で長らく検討されてきたテーマであり、ライフネット生命が世に登場するか否かを問わず実現されていた可能性が高いが、我々が生命保険業界という池の中に投げ込んだ小さな石によって波紋が広がり、その流れを加速させたところがあると信じたい。



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自分がやりたいことも、日本経済なり、日本社会なりをシステムとして俯瞰した上で
自分がより良いと信じる経済や社会や生活の為に、最も効率よくアプローチすること、
乱暴に「要約」するとそんな言葉に変換出来るのでは、と思います。