Saturday, March 27, 2010

米国の福利厚生プログラムについて

今週は、米国で初めて公的な健康保険のプログラムが議会の承認を得たという事で話題になった。朝ニュースを見ていてびっくりしたのだが、かの米国にはこうしたPre-Existence Conditionな福利保険は過去に前例がないそう。
HEALTH CARE: Obama badly needed a win



冷泉彰彦さんが「オバマと健保改革、その先にあるもの」という題でメルマガを配信している。この出来事について分かりやすく説明されているので、転載したい所だが、いろいろと面倒なことになりそうなので要約だけしておく。内容については、要約すると以下の通りとなるのかと思う。

1. 1960年代から議論の続いていた「国民皆保険」問題という観点では、今回の法案成立はSignificantでありHistoricである。

2. 主な法案の内容は以下3点に要約でき、こうした考え方はアメリカ国内では画期的。
a). 「現在の健康状態に基づいて保険会社が加入を拒否できない」
b).「被扶養者の若者は26歳まで親の保険に加入が可」
c).「無保険者が個人で保険を購入する際には公費補助」

3. 可決後の法案への支持率は46%から49%へ上昇し、一定の世論の理解を示している。
4. メディア戦略と、無党派層と共和党穏健派を上手く取り込んだ(奇跡的に)ことで今回のようなSensitiveかつDrasticな"Change"が可能になった。

5. 法案成立にも関わらず中間選挙では民主党は苦戦を強いられるだろう。

総論としては、やはり、オバマには時の運という大きなものがついているように感じた。黒人初の大統領だけに留まらず、ケネディ、ニクソンといった歴代の名だたる大統領時代から続いていた議論に決着を見いだしたのだから。Pelosi氏、ヒラリー・クリントンなど、強力なバックアップもあり、こうした偉業を達成する事ができた訳だが、Great Teamを形成するというのも手腕の一つだし、時代の流れもそれを後押ししているように思う。
Dreams from My Father: A Story of Race and Inheritance