Wednesday, October 20, 2010

Shackleton: by endurance, we conquer

---------------------------------------------------------------------------------

"Men wanted for hazardous journey.
Low wages, bitter cold, long hours of completed darkness.
Safe return doubtful.
Honor and recognition in event of success"

(探検隊員募集。わずかな報酬。極寒。
まったく太陽を見ない日が何日も続く。生還の保証無し。
ただし、成功すれば名誉と賞賛が手に入る。)

--------------------------------------------------------------------------------

Frontier Project Management(FPM)という授業の一環で、
Shackletonという映画を見た。上の文書は、1914年、
ロンドンの新聞に掲載された「大英帝国南極横断探検隊」の
隊員募集広告である。この広告主であり、隊長である人物が
アーネスト・ヘンリー・シャクルトン卿だった。

Frontier Project Managementというのは、
一般的なプロジェクトよりも長いライフサイクルで、
且つ人類が未踏の地点(物理的、技術的な側面から)に挑戦する
プロジェクトのことを言う。

Shackletonは19世紀の終わりイギリスに生まれ、
第一次世界大戦などの最中、南極大陸を目指し航海をしたが、
途中で氷塊に囲まれ船を失い、
2年近く漂流した後に奇跡の生還を果たした探検家である。

実は、この授業は最近世間の注目を浴びたあるプロジェクトに関わっていた方が講師をされているのだが、そのプロジェクトとの関連性が見えて非常に興味深かった。

一般的にプロジェクトというのは、4つくらいのフェーズに分ける事が出来る。
1) Initiation (プロジェクトの立ち上げ)
2)Execution  (プロジェクトの執行)
3)Resolution (プロジェクトにおける問題の解決)
4)Exit  (プロジェクトの終了)
*こうしたフェーズ分けなどは、人により異なるほか、プロジェクト管理の権威であるPMIが発行するPMBOK(Project Management Body of Knowledge)にも違う区分けで記載されている。

Shackletonの場合、この全てのフェーズに於いて、困難が待ち受けており、それらを一つ一つ、根性と執念(=Endurance, 忍耐)で乗り越えていった。その点が本当に素晴らしいと思う。

国中、いや世界中が戦争で戦っているのに、
満足な資金面の援助も得られないまま、
南極付近で船が座礁し、
刻一刻と食料と時間だけが消費されていく。

こんな極限状態に陥るリスクがあるのが、Frontier Projectであり、
そうした中、現状を理解した上で、決して明日を見つめることを諦めないのが
Frontier ProjectにおけるProject Managerの責任と役割である。

偉大なるProject Managerへの道は一夜にしてならず。