Wednesday, February 9, 2011

ストーリーとしての競争戦略

遅ればせながら、楠木建著「ストーリーとしての競争戦略」を読みました。
とても分り易くて良いと思ったので、下記に備忘録がてら感想を記します。

まず、「優れた戦略」をつくるために。。。

数字とファクトをしっかりと押さえてロジックを組み立てます。
そしたら、ロジックを組み立ててストーリーを構築します。
これが、「ストーリーとしての競争戦略」で言われているキモだと理解しました。

「クリティカル・コア」、「コンセプト」、「ロジック」… これらは全て戦略ストーリーというシステムの一つだと考えます。しかし、面白いのは、全てが「合理的」である必要性はあまりないということ。「合理的」であるということは、即ち「想定内」を意味し、競争優位性が低いということなのです。

では競争優位性とは何処から来るのでしょう?それは、ハタからみるとやや非合理だが、仕組みの内側から見ると不思議と合理的である、そんな「意外性」から来るものです。

外味の意外性と、中味の合理性にギャップがある方が良い。
ギャップがある程、ライバルたちは出遅れる。

戦略とは、実際に、「誰がどのようにして何が勝手に」と言った風に、PowerPointのスライドの静止画ではなく、生身の人間が繰り広げる「動画」。動画には、「オチ」がないとダメです。

ただ出だしから「オチ」が思い付かない場合もあるでしょう。四コマ漫画の作家に聞いてみても面白いかもしれません。書いてるうちにストーリーも変わってくる。ただ重要なのは、物語の柱=クリティカル・コアがしっかりしていないと、ストーリーもオチない。その為にファクトとロジックがあります。

以上、僭越ながら「ストーリーとしての競争戦略」の読者感想文でした。
ちなみに、本にはこれの20倍くらい凄いことが、1000倍分かりやすく書いてあります。
また、実例も豊富で素晴らしい。個人的には2011年、最初のヒットです。